派遣法3年ルールの目的・例外は?3年後の選択肢6つのメリット、デメリットを解説

派遣のメリット、デメリット
  • 派遣法3年ルールの目的や例外ってなにかな
  • 同じ派遣先で3年以上働けないって話は本当かな


この記事では、このような悩み・疑問に答えていきます。

この記事で分かること
  • 派遣法3年ルールの目的、例外
  • 派遣で3年働いたあとの6つの選択肢のメリット、デメリット


この記事を書いているのは、派遣歴10年以上のかおりです。

かおり(派遣歴10年以上)
かおり(派遣歴10年以上)

派遣法3年ルールとは、超ザックリいうと、

2015年の派遣法改正によってできた、同じ派遣先での勤務は3年までという勤務年数の制限のことを言います。

そこで今回は、派遣で働く上で知っておいた方が良い「派遣法3年ルール」についてわかりやすくご紹介します。


※参考資料
平成27年労働者派遣法改正法の概要

派遣法3年ルールをサクッと理解しよう!

まずは、「派遣法3年ルール」についてわかりやすくまとめていきます。

法律の内容を知らないと、あなたが損をしたり後悔することになることも。

なので、サクッと理解しちゃいましょう!

派遣法3年ルールとは?

派遣法3年ルールとは、一言でいうと

『派遣社員が同じ会社かつ同じ部署で働けるのは3年まで

です。

労働者派遣法という法律がもとになっています。

ただ、例外もあります(後ほど詳しくご説明します)が、まずは派遣法3年ルールのイメージを掴んでください!

派遣法3年ルールの本来の目的は「派遣社員を守るため」

派遣法3年ルールが定めてある「労働者派遣法」は、派遣社員を守るために作られました。

一般的に、派遣というと、

  • 雇用が不安定
  • 待遇がいまいち
  • キャリアアップが難しい

と言われます。

実際は会社・職種・状況にもよって大きく変わるため、長期安定も可能だったりしますが、この話は一旦横に置いておきます。

なので、「派遣法3年ルール」では、同じ派遣先(部署)で3年も働いた派遣社員に対して

  • 派遣社員が正社員を望むなら、派遣先の企業は正社員として雇用する努力をしましょう

  • 派遣社員が派遣会社での無期雇用を望むなら、派遣会社は無期雇用する努力をしましょう

と、定めているんです。

でも、あくまで「努力しましょう」なので、強制ではないのです。ここが肝です。


結論から言うと、「派遣先での正社員」や「派遣会社での無期雇用」は簡単になれるものではありません。

また、私の経験上、実際に派遣先で正社員になる人は3年働いたどうかよりも、派遣先が「この派遣社員に正社員で働いてもらいたい」と考え声をかける場合が多いです。

派遣で3年働いたあと、実際の選択肢は6つある

実際に、派遣社員が同じ派遣先(部署)で3年間働いた後には、6つの選択肢があります。

6つの選択肢
  1. 派遣先で正社員になる
  2. 派遣先で契約社員になる
  3. 派遣会社で無期雇用の派遣社員になる
  4. 同じ会社で別の部署
  5. 派遣先の会社を変える
  6. 派遣会社を変える

1〜4の選択肢は、派遣先や派遣会社との話し合いが必要になります。

自分の意志だけで決定できるのは、5・6です。


【派遣法3年ルール】正社員、契約社員、派遣で無期雇用、その他

あなたが「将来目指す働き方」の参考になるよう、以下では同じ派遣先(部署)で3年働いたあとの全ての選択肢についてメリット、デメリット・注意点をまとめていきます。

派遣先で正社員

難易度メリットデメリット・注意点
難しい安定した雇用
収入が上がる
責任ある仕事(やりがい)
残業、付き合いが増える
家庭や育児との両立が大変
部署の異動の可能性がある

正社員を目指すなら、派遣で求人に応募する前に、派遣会社のコーディネーターさんに相談してみると良いです。

理由は、業界・会社・職種によって、「正社員になりやすい」「派遣から正社員になった実績」は異なるからです。

また、一般的には派遣社員が正社員になるのは難しいのが現実です。

私の派遣の友人・知人では、派遣法3年ルールで正社員になった人は残念ながらいません。

でも、派遣法3年ルールに関係なく、派遣先の企業から声がかかって正社員になった知人が2人いました。
2人とも、派遣では営業アシスタントという職種で働いており、営業職で正社員になりました。

個人的な意見ですが、どの業界でも営業職は離職率が高いので、「派遣の営業アシスタント」には正社員へのチャンスがあるかもです。

派遣先で契約社員

難易度メリットデメリット・注意点
会社の方針・状況による5年間は安定した雇用
業務内容が限定される
派遣より収入が下がる場合もある
5年契約だと、5年後に退職

正社員同様、契約社員として働きたいなら、仕事選びの段階でしっかりコーディネーターさんに相談した方が良いと思います。

なぜなら、契約社員は5年という契約期間の後に「無期雇用」「退職」「正社員」など、色々なパターンがあり、勤務先によって違うからです。



派遣会社で無期雇用の派遣社員

難易度メリットデメリット・注意点
難しい同じ部署で3年以上働ける
安定した雇用
休業手当が出る
・登録型派遣のように仕事を
選べないこともある
・年収は上がりづらい
・パート派遣は対象外の場合がある

派遣会社の無期雇用になると、同じ部署で3年以上働けます。派遣法3年ルールの対象外(例外)になるからです。

ただ、私の派遣の友人・知人では3年で無期雇用になった人はいません。

以前、私が派遣登録している複数の大手派遣会社に「3年で無期雇用になった派遣社員はいますか?」と聞いたことがありますが、ほとんどいない・多くはないという回答でした。(2018年12月時点)

※初めから派遣で無期雇用として働くことができる派遣会社があります。
後ほど、ご紹介します。


同じ会社で別の部署

難易度メリットデメリット・注意点
可能な場合もある同じ会社なので
ある程度勝手がわかる
新しい部署で仕事を
覚える必要がある

派遣先が大手企業の場合、会社独自のシステム操作に慣れている派遣社員に長く働いて欲しいという気持ちがあります。

派遣社員にとっても、部署は変わっても同じ会社での勤務はメリットが多いと思います。

ただ、誰でもなれるわけではなく、3年間の勤務実績や協調性などから「この人に別の部署でも引き続き働いてもらいたい」という感じで声がかかることが多いです。

派遣先の会社を変える

難易度メリットデメリット・注意点
見つかりやすい同じ派遣会社からの紹介
(これまで働いた実績が
あるから見つかりやすい)
新しい会社・部署での
仕事を覚える必要がある

「派遣先の会社を変える」は、一番多いケースです。

新しい会社での仕事は慣れるまでの時間が必要だったりしますが、仕事自体が見つからないというケースは少ないと思います。

私の子供の友達のママは、大手通信会社のコールセンターで3年間働き、次の派遣先もすんなり決まって働いています。
決まるまでは不安もあったものの、たくさん仕事の紹介があって良い職場を選べたと喜んでいました。

同じ派遣先(部署)で3年間も働いた実績があれば、次が見つかりやすいということです。

派遣会社を変える

難易度メリットデメリット・注意点
複数登録すれば希望の仕事に
出会える率はあがる
・有給や勤続年数がリセットされる
・派遣登録、仕事探しに
時間がかかる場合もある

派遣会社を変えて、よりよい職場を検討するのもありだと思います。

ただ、派遣会社が変わると有給や勤続年数がリセットされてしまうことも考慮した方が良いです。

ちなみに、派遣会社を変えても同じ派遣先では3年以上働けません。

派遣法3年ルールをもう少し詳しくご紹介

ここから、もう少し具体的に派遣法3年ルールについて解説していきますね。

派遣法3年ルールには例外がある

派遣法3年ルールには、例外があるんです。
以下のどれかに当てはまる場合は、同じ部署で3年以上働くことができます。

同じ部署で3年以上働けるケース

・派遣会社で無期雇用されている
・60歳以上の派遣社員
・期限がはっきりしている有期プロジェクトで働いている
・日数が限定された業務(1ヶ月の勤務日数が、通常の労働者の半分以下・10日以下であること)
・産前産後休業、育児休業、介護休業等で休業している人の代わりに働く場合


3年後に派遣会社はどんなサポートをしてくれる?

労働者派遣法では、派遣会社が派遣先に雇用を促すことが定められているんです。

なので、派遣会社には

  • 派遣社員が直接雇用を望めば、派遣先に対して直接雇用するよう依頼する

という努力義務があります。


また、派遣先での直接雇用を望まない場合には、派遣会社は派遣社員に「新たな派遣先を提供すること」を定めています。

ただ、なんでも派遣会社にお任せというのはリスクがあります。

また、どの雇用形態でも言えることですが、年齢を重ねれば採用が難しくなることもあります。

派遣社員にできることは、できるだけ得意な分野で実績を積んでおくこと、パソコンのスキルをあげておくこと。

経験やスキルがあれば採用されやすくなるというのも事実だからです。

そして、派遣で大事なことが適切な派遣会社選びです。

5年ルールも理解しておこう

派遣法3年ルールとは別の法律で、通称「5年ルール」というものがあります。似たのような名前ですが、内容は全く異なります。

5年ルールとは、「5年間連続して働いた場合には誰でも無期雇用を選択できる」というものです。

この5年ルールは、派遣だけでなくアルバイト、パート、派遣社員など全ての非正規社員に適用される法律です。

つまり、派遣で5年働けば「派遣会社の無期雇用」に誰でもなれるということです。

派遣会社の無期雇用は、派遣法3年ルールの対象外(例外)なので「同じ部署で3年以上働くことが可能」です。


派遣の働き方は様々!正社員や無期雇用を目指す方法は?

ここからは、派遣で正社員を目指す場合や、派遣会社の無期雇用を目指す場合には、他にどんな方法があるのかまとめていきます。

正社員(契約社員)を目指すなら、紹介予定派遣を検討してみる!

初めから、正社員を目指すのであれば「紹介予定派遣」を検討した方が近道になります。

普通に派遣で働いて正社員になるのは難しいですし、いつなれるかもわからないからです。

実際、私の友人は紹介予定派遣で半年派遣で勤務した後から無期雇用の契約社員や正社員になって働いています。
業界は、金融系(銀行)・不動産系(保険関連)・IT系など様々です。

こちらの記事で紹介予定派遣について詳しくご紹介しています。参考にしてください。

ずっと派遣で働きたいなら、無期雇用専門の派遣会社も視野に入れよう

派遣会社の無期雇用で働くたいなら、初めから無期雇用専門の派遣会社に派遣登録するのがおすすめです。

派遣法3年ルールや5年ルールの施行にともなって、大手派遣会社では優秀な派遣社員を確保するため「初めから派遣会社の無期雇用になれる」新しいカタチの派遣会社を作っています。

※これまでの派遣の経験や職歴が問われる場合もあります。

確かに、普通に派遣で5年間働いたら誰でも派遣会社の無期雇用になることはできます。

でも、5年は長いですよね。

それなら、初めから無期雇用専門の派遣会社に派遣登録するというのも検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ:派遣で3年以上働く方法はいくつもあるから、将来を見据えて働くことが大事。

今回の記事、いかがでしたか?

派遣法3年ルールは、初めての対応が2018年ということもあり、まだ施行されて間もないので今後どうなっていくのかわからない点も正直あります。

さらに、2020年4月にスタートする働き方改革「同一労働同一賃金」は派遣社員も対象なので、今後ますます派遣社員の働き方に変化がありそうです。

でも、「派遣での働き方」を決めるのはあなたということに変わりはありません。

だから、今後どんな風に働いていきたいのかを考えるのはすごく大事なことです。

正社員を目指すのであれば今の派遣先や派遣会社で本当にいいのかを検討したり、派遣でずっと働きたいなら無期雇用専門の派遣会社も検討してみるのがいいですよ。

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