派遣とは?雇用主・契約のしくみと登録から働くまでの流れを図解

派遣のメリット、デメリット

派遣会社に登録して、別の会社で働く。初めてだと「誰に雇われるの?」「給料や休みはどこに相談するの?」と分かりにくいですよね。私も派遣で働き始めたころは、しくみを理解できず戸惑いました。

派遣は、派遣会社と雇用契約を結び、派遣先の指示を受けて働くしくみです。給料を支払う会社と、日々の仕事の指示を出す会社が異なる、と考えると整理しやすくなります。

この記事では、派遣歴10年以上の私の経験も交えながら、三者の関係、契約の種類、働くまでの流れ、最初に確認したい点をまとめます。

派遣とは?あなた・派遣会社・派遣先の三者関係

例として、あなたが「ニシ派遣会社」に雇われ、「株式会社ABC」で働く場合を図にしました。会社名は説明のための架空の名称です。

あなたと派遣会社は雇用契約、派遣会社と派遣先は派遣契約、派遣先からあなたへは業務の指示がある三者関係
派遣で働くときの三者関係。雇用主は派遣会社、仕事の指示は派遣先です。
  • あなたと派遣会社:雇用契約を結ぶ。給与の支払いなど、雇用主としての窓口は派遣会社。
  • 派遣会社と派遣先:労働者派遣契約を結ぶ。どのような業務・条件で派遣するかを会社同士で定める。
  • 派遣先とあなた:派遣先の指揮命令を受けて、契約で定めた仕事をする。

派遣先と直接の雇用契約がないことは、派遣先に責任がないという意味ではありません。派遣会社と派遣先には、法律に基づいて責任を分担する事項があります。

出典:厚生労働省・さまざまな雇用形態(派遣労働者)

給与・有給・社会保険は、どこに確認する?

給与や雇用契約の説明は、雇用主である派遣会社に確認します。有給休暇の付与・申請、社会保険の加入手続きも、派遣会社の窓口を確認することが基本です。日々の業務指示は派遣先で受けます。

ただし、有給休暇は付与の条件、社会保険は加入の条件があります。「登録したらすべて利用できる」とは考えず、自分の勤務条件と照らし合わせましょう。

東京労働局は、条件と違う仕事をさせられた場合、派遣会社・派遣先双方に苦情を適切に処理する責務があると案内しています。困ったときの担当者名と連絡方法を、開始前に控えておくとよいですね。

出典:東京労働局・派遣社員として働く方へのQ&A

登録型・無期雇用・紹介予定派遣の違い

派遣を調べると、いくつかの呼び方が出てきます。「雇用契約に期間があるか」と「派遣先への直接雇用を予定するか」を分けて考えると混乱しにくくなります。

登録型派遣:登録と、雇用契約を結ぶ時点を分ける

派遣会社へ登録し、仕事が決まった段階で派遣会社と雇用契約を結んで働く形です。登録だけで雇用が始まり、給料が発生するわけではありません。

私が働いてきたのも、この登録型派遣です。雇用契約の期間や更新条件は仕事ごとに確認します。「登録型派遣は必ず3か月更新」とは限りません。

有期の契約は、更新の有無・判断基準・上限などを確認し、終了後に仕事がない期間ができる可能性も家計に織り込んでおきましょう。更新を形式的な手続きと決めつけないことが大切です。

無期雇用派遣:派遣会社との雇用契約に期間の定めがない

派遣会社と期間の定めのない雇用契約を結んで、派遣先で働く形です。雇用主は派遣先ではなく、派遣会社です。

無期雇用の派遣労働者は、派遣で働ける期間の制限の対象外です。ただし、同じ派遣先で定年まで必ず働けるという意味ではありません。派遣先の変更、業務や勤務地の範囲、待機中の扱いなど、会社の規定・契約を確認しましょう。

有期契約からの無期転換制度は、同じ使用者との有期契約が更新され通算5年を超えた場合に、本人の申込みによって期間の定めのない契約に転換するしくみです。派遣先への正社員登用とは別です。

出典:東京労働局・期間制限の説明、厚生労働省・無期転換ルール。3年ルールとの違いは抵触日・例外と3年後の働き方で解説しています。

紹介予定派遣:派遣先への直接雇用を目指す

最長6か月の派遣期間を通じて、本人と派遣先の合意により直接雇用を目指す働き方です。事前の書類選考や面接がある場合があります。

必ず直接雇用になるわけではなく、採用後の形が正社員か契約社員かも求人ごとに異なります。詳しくは、友人の過去の転職体験も紹介した紹介予定派遣のメリット・注意点と条件確認へ。

出典:厚生労働省・紹介予定派遣について

派遣で働くまでの流れ

  1. 派遣会社・登録方法を選ぶ:希望する地域・職種の求人、相談方法を確認する。
  2. 登録に必要な手続きをする:職歴・希望条件・本人確認など、各社の案内に沿って進める。
  3. 求人へ応募・仕事紹介を受ける:具体的な仕事内容、時間、給与、契約期間を確認する。
  4. 条件に合意し、雇用契約・開始前の手続きをする:開始日、連絡先、必要書類などを確認する。
  5. 派遣先で仕事を始める:業務の指示系統、勤怠の報告、困ったときの相談先を確認する。

たとえばテンプスタッフは、面談付き登録(来社・WEB・電話)と面談なしのオンライン登録を案内しています。面談なしでも、必要な情報入力などの手続きはあります。登録が終われば必ずすぐ仕事が決まる、ということではありません。

一般の派遣で行う職場見学は、派遣先が採用する人を選ぶための面接とは異なります。自分の意思で職場の確認を希望する場合も、目的と確認したい内容を派遣会社に相談してください。詳しくは職場見学の目的・質問と確認点へ。

出典:テンプスタッフ・登録から就業までの流れ。登録の準備は派遣登録の流れと面談・スキルチェック、開始日の考え方はいつから働けるかを確認する記事で詳しく紹介しています。

私が感じたメリットと、先に知っておきたい注意点

仕事を決める前に、派遣会社を通じて確認できる

私は応募前に、職場の雰囲気や働いている方の年齢層・勤続年数などを、派遣会社の担当者に確認してもらったことがあります。直接聞きにくいことを相談できたのは助かりました。

ただし、すべての情報を教えてもらえるとは限りません。仕事内容、残業、繁忙期、休みの連絡方法など、自分にとって大切な条件から確認しましょう。事前確認をしても、ミスマッチが完全になくなるわけではありません。

雇用契約と、次の仕事の見通しを確認する必要がある

私は登録型派遣で長く働いてきましたが、まじめに働けば必ず更新される、次の仕事が途切れない、とはいえません。契約期間・更新条件・派遣の期間制限を、それぞれ確認することが必要です。

また、会社間の派遣契約と、あなたと派遣会社の雇用契約は別の契約です。派遣契約が途中で終了したことだけで、雇用契約も当然に終了すると理解しないでください。期間中の仕事や雇用については派遣会社へ確認しましょう。

出典:東京労働局・派遣契約が中途解除された場合のQ&A

最初の仕事選びでは、この4点から確認しよう

  • 仕事と時間:担当業務、通勤、終業時刻、残業が家庭の予定に合うか。
  • お金:給与の計算方法、通勤費、勤務日数が少ない月の見込みはどうか。
  • 契約:雇用契約の期間、更新条件、仕事が終わる場合の説明はどうか。
  • 相談と制度:担当者、苦情の窓口、社会保険や休暇、支援サービスの対象・申請先はどこか。

正社員などの直接雇用とも比較したい方は、正社員と派遣の給与・契約期間・働き方の違いを確認できます。

派遣会社を選ぶ段階なら、私が利用した派遣会社3社の特徴・登録方法へ進んでください。相談したい会社が決まったら、各社の登録手順と公式入口を確認できます。

制度・公式情報の確認日:2026年10月22日。筆者の体験は過去の勤務先での例です。実際の求人・契約条件は派遣会社へご確認ください。

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