子育てをしながら正社員を目指したい。でも、入社してから「お迎えに間に合わない」「聞いていた仕事と違う」となるのは避けたいですよね。
紹介予定派遣は、最長6か月の派遣期間を通じて仕事や職場を確かめ、本人と企業の合意により直接雇用を目指す働き方です。必ず採用される制度ではなく、直接雇用後が正社員ではなく契約社員などの場合もあります。
この記事では、紹介予定派遣で正社員になった友人の過去の体験と、現在の制度・応募前の確認点を分けて紹介します。私自身は夫の転勤を考えて登録型派遣を選んでおり、紹介予定派遣の利用経験はありません。
紹介予定派遣とは?「半年後に必ず正社員」ではありません
派遣期間中の雇用主は派遣会社です。その後、双方の合意で直接雇用へ進むと、雇用主は就業先の企業に変わります。派遣期間は最長6か月で、すべての求人で6か月働くわけではありません。
応募時には、まず次の3点を確認しましょう。
- 直接雇用後の雇用形態:正社員・契約社員など、どの形での採用を予定しているか。
- 派遣期間と判断の時期:何か月の予定で、いつ意思確認や選考があるか。
- 採用後の条件:給与・勤務時間・仕事内容・勤務地などがどう変わるか。
テンプスタッフは紹介予定派遣を正社員や契約社員を目指せる働き方として案内しています。条件は求人ごとに異なるため、「社員になれる」という言葉だけで判断しないことが大切です。
出典:厚生労働省・紹介予定派遣の説明、テンプスタッフ・紹介予定派遣のしくみ
子育て中の友人が、紹介予定派遣で正社員になった体験
以前、私と同じ職場で働いていた友人は、当時2歳のお子さんを育てていました。「もっと仕事をしたい」と正社員への転職を希望し、ハローワークや求人サイトで仕事を探していました。
応募や書類選考が思うように進まず悩んでいた友人は、派遣会社の担当者に相談。紹介予定派遣の求人を紹介してもらい、最終的にIT企業の総務職で正社員になりました。
苦労していた様子を知っていたので、私も嬉しかったのを覚えています。ただし、これは過去の一例です。紹介予定派遣なら他の応募方法より採用されやすい、子育て中なら有利、といえるものではありません。今の求人の有無や求められる経験を確認する必要があります。
私の不採用経験を、子どもがいる人全体の話にしない
私も新婚当時、正社員への転職で10社以上に応募し、不採用が続いたことがあります。面接で子どもの予定を聞かれた経験もあり、不安でした。ただ、不採用の理由を確かめられたわけではありません。
その経験から「主婦だから正社員は無理」と決めつけてしまいたくなる気持ちは分かります。でも、採用は本人の適性・能力に基づくことが基本です。厚生労働省は、家族についての質問など、本人の適性・能力に関係しない事項の把握が就職差別につながるおそれを示しています。
紹介予定派遣のメリットは、働いてから判断できること
仕事内容と家庭との両立を、実際の勤務で確かめられる
直接雇用を決める前に、日々の業務、通勤、仕事の引き継ぎ方などを実際に確認できます。子育て中なら、通常の退勤時刻だけでなく、月末・繁忙期の対応や急な欠勤時の連絡方法も見ておきたいところです。
ただし、派遣期間に経験しなかった繁忙期や、直接雇用後に増える業務もあり得ます。「派遣中に残業がなかったから、社員になってもない」とは限りません。直接雇用後の役割を担当者に確認しましょう。
家庭との両立に必要な条件の整理は、子持ちで派遣を続けるための仕事選びと確認点でもまとめています。
聞きにくい条件を、派遣会社に確認してもらえる
給与や勤務時間など、疑問点を派遣会社の担当者に相談できます。テンプスタッフ、リクルートスタッフィングとも、派遣として働く前に、社員化後に予定する待遇を案内するとしています。
「残業は少なめですか?」だけでなく、「直接雇用後、月末の残業はどのくらいですか」「○時までの勤務が必要ですが、この条件で応募できますか」と具体的に伝えると、確認したい点が明確になります。回答できない情報もあるため、確認済み・未確認を分けておきましょう。
出典:テンプスタッフ・紹介予定派遣のよくある質問、リクルートスタッフィング・紹介予定派遣のQ&A
デメリット・注意点は、選考と直接雇用後の条件
書類選考や面接があり、直接雇用に至らない場合もある
紹介予定派遣では、就業先による事前の履歴書確認・面接などが認められています。企業によって試験がある場合もあるので、必要書類、選考内容、結果の連絡時期を確認してください。
これは、一般の派遣で派遣先が人を選ぶための事前面接が原則認められないこととは扱いが異なります。一般の派遣の職場見学については、職場見学の目的と確認することを参照してください。
派遣期間に働いても、企業の判断などで直接雇用に至らないことがあります。そのため、希望しない結果になったときに次の仕事探しをどう相談するかも、担当者に確認しておくと安心です。
契約社員の求人は、契約期間・更新条件も確認する
正社員を希望しているなら、直接雇用後も正社員の予定であることを確認しましょう。契約社員の場合は、契約期間、更新の有無・判断基準・更新上限、正社員登用制度の有無などが判断材料になります。
「契約社員は一律に5年で終了」「5年たてば必ず正社員」という理解は避けてください。求人や契約の条件を確認し、無期転換制度と正社員登用を混同しないことが必要です。無期転換は、一定の条件を満たした有期労働契約を、本人の申込みにより期間の定めのない契約へ転換する制度です。詳しくは厚生労働省・無期転換ルールを確認できます。
給与が上がるかは、年収と働く時間を合わせて比べる
月給だけでなく、賞与の支給条件、固定残業代の有無と内容、通勤費、年間休日などを確認します。賞与は「あり」と書かれていても、入社時期や評価などによって初年度の扱いが異なる場合があります。
「派遣より必ず高収入」とは限りません。派遣期間と直接雇用後の見込みを分けて確認し、希望する生活費や働ける時間に合うかを考えましょう。
応募前に聞いておきたい5つのこと
- 雇用形態と期間:正社員か契約社員か。派遣期間と直接雇用の判断時期はいつか。
- 勤務時間:始業・終業、残業、繁忙期、休日出勤の可能性はどうか。
- 仕事内容と勤務地:直接雇用後の業務、異動・転勤の可能性、変更範囲はどうか。
- 待遇:基本給、手当、賞与、休日、福利厚生はどうか。派遣期間との違いは何か。
- 選考と連絡:必要書類・面接・試験、結果連絡、意思確認の期限はいつか。
子どもの行事やお迎えなど、継続して働くために必要な条件は、応募の段階で担当者へ伝えておきましょう。入社後に短時間勤務へ変えられるなどと推測せず、予定する雇用条件で働けるかを確認します。
紹介予定派遣のよくある疑問
直接雇用を希望しない場合は断れますか?
テンプスタッフは、本人が就職を希望しない場合は入社を断れると案内しています。合わない点や希望を、意思確認の期限までに担当者へ相談してください。
ただし、直接雇用への辞退と、現在の派遣の雇用契約を途中で終了することは別の話です。勤務中の契約期間や手続きは、派遣会社に確認して進めましょう。
企業が直接雇用しなかった理由は聞けますか?
厚生労働省は、直接雇用に至らなかった場合など、本人の求めに応じて派遣会社が企業に理由の明示を求め、企業から明示された理由を本人に伝える取扱いを示しています。理由を知りたい場合は、派遣会社の担当者に申し出てください。
出典:厚生労働省・紹介予定派遣で雇用しない場合等の理由の明示
正社員を目指すなら、まず希望条件に合う求人を確認しよう
紹介予定派遣は、働いて職場を確かめながら直接雇用を目指す選択肢です。子育て中だから難しい、紹介予定派遣なら簡単、とひとくくりにはできません。
正社員を希望すること、働ける時間・地域、これまでの経験を伝えて、条件に合う紹介予定派遣の求人があるか相談するところから始めてみてください。希望求人がない場合は、直接応募やほかの探し方も含めて検討しましょう。
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制度・公式サービスの確認日:2026年10月22日。求人や採用後の条件は個別にご確認ください。



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