派遣の手取りはいくら?時給1,500円の月収計算と給与明細の見方

派遣のお金と福利厚生

「時給1,500円の派遣で働くと、いくら振り込まれる?」「求人の月収例を、そのまま生活費に使えると思っていい?」。仕事を選ぶときは、時給だけでなく、税金や保険料を引いた後の金額も気になりますよね。

時給1,500円で1日8時間・月20日働く場合、基本となる給与は月24万円です。ただし、これは控除前の額面で、手取りではありません。実際の振込額は勤務日数、社会保険、税金、交通費などで変わります。

私は派遣で約10年働き、Excelを学んで別部署の仕事に移った経験があります。収入を比べる際は、時給だけでなく勤務時間や家計全体も確認しましょう。この記事では、現在の制度を踏まえ、月収の計算と給与明細の確認手順を整理します。

時給1,500円の月収は、働く日数と時間で変わる

時給制の基本的な給与は、時給×給与の対象となる時間数で計算します。休憩時間を除いた実働時間を使い、残業代、通勤手当、有給休暇の賃金などは、条件に応じて加えます。

時給1,500円・1日8時間の場合の計算例
勤務日数基本となる給与
控除前
月18日1,500円×8時間×18日=216,000円
月20日1,500円×8時間×20日=240,000円
月22日1,500円×8時間×22日=264,000円

上の表は、残業・通勤手当・欠勤・有給休暇等を含めない仮の条件による計算です。平均時給や、実際の求人・支給額を示すものではありません。

同じ時給1,500円でも、1日7時間・月20日なら21万円です。求人の「月収例」を見るときは、何時間・何日勤務なのか、残業代や手当を含むかまで確認しましょう。

月24万円を12か月受け取る仮定なら、年間の基本給与は288万円です。ただし、毎月の勤務日数や契約の空白期間、賞与等によって実際の年収は変わります。1か月だけの給与を12倍して確定額と考えないようにしてください。

手取りは、支給総額から実際の控除額を引いて確認する

給与明細では、まず「支給総額」「控除合計」「差引支給額」を見ます。一般に、差引支給額がその給与の振込額に当たります。

支給総額−控除合計=差引支給額

例えば、支給総額が24万円、控除合計が4万5,000円だったと仮定すれば、差引支給額は19万5,000円です。これは引き算の説明用の例であり、時給1,500円の人の税金・保険料が4万5,000円になるという試算ではありません。

控除される金額は人によって違うため、「派遣なら額面の○%が必ず手取りになる」「時給1,500円なら一律19万円」とは決められません。就業前なら、派遣会社に加入予定の保険、標準報酬月額の見込み、住民税の徴収方法などを確認しましょう。

振り込まれた金額の中に、通勤に使うための交通費が含まれている場合もあります。家計で自由に使える金額を考える際は、実際の通勤費や、別途納める税金・保険料も分けておくことが大切です。

給与から引かれる主な項目と、2026年の確認点

健康保険・厚生年金などは、加入状況と標準報酬月額で確認

加入している場合、健康保険料や厚生年金保険料などが給与から差し引かれます。これらの計算には標準報酬月額が用いられるため、毎月の実際の給与に同じ率を掛けるだけで明細と一致するとは限りません。健康保険の加入先や、介護保険の対象となる年齢かどうかなども関係します。

通勤手当も、標準報酬月額の対象となる報酬に含まれます。所得税が非課税となる通勤手当でも、社会保険料の計算では別の扱いです。加入条件の詳細は、派遣の社会保険の条件と保険料で確認してください。

2026年4月分からは子ども・子育て支援金の拠出も始まっています。給与明細での項目名や、何月分をいつ差し引いているかは加入先・派遣会社に確認しましょう。会社が負担する「子ども・子育て拠出金」とは別の仕組みです。

出典:日本年金機構厚生年金保険の保険料、通勤手当と標準報酬月額、こども家庭庁子ども・子育て支援金制度

雇用保険料は、年度と事業の種類に合う料率を使う

雇用保険に加入する場合は、対象となる賃金に、該当する労働者負担の料率を掛けて計算します。2026年度の一般の事業では労働者負担は0.5%ですが、事業の種類等で異なります。前年の料率をそのまま使わず、会社が適用している料率を確認してください。

出典:厚生労働省・各年度の雇用保険料率

所得税は、毎月の源泉徴収と年間の精算を分ける

毎月の給与から差し引く所得税等は、源泉徴収税額表や申告書の提出状況、扶養親族等の条件などを使って計算されます。給与全額に一律5%を掛ける計算ではありません。

2026年は、年初から使う源泉徴収税額表と、同年度の税制改正を反映する年末調整の時期を区別する必要があります。国税庁は2026年11月までの給与等の源泉徴収事務に今回の改正による変更はなく、12月の年末調整等で精算すると案内しています。現在の毎月の控除額と、最終的な年間の税額が一致するとは限りません。

年末調整の対象や提出書類は派遣会社に確認し、必要な場合は確定申告も検討します。税金上の扶養と社会保険上の扶養の違いは、扶養内で働く条件の記事で整理しています。

出典:国税庁2026年分源泉徴収税額表、2026年度・源泉所得税の改正のあらまし

住民税は「派遣だから自分で納付」とは限らない

給与所得者の住民税は、原則として給与から差し引く特別徴収です。派遣社員も、雇用形態だけを理由に一律に対象外になるわけではありません。

一方、年度途中の就職・退職や徴収の切替状況等により、納付書などで自分で納める普通徴収になっていることもあります。給与明細に住民税がない場合も、「納税が不要」とは判断せず、自治体からの通知と会社の説明を確認しましょう。

住民税は原則として前年の所得等をもとに計算されるため、今年の時給だけでは金額が分かりません。収入が減った年や、育休・退職で給与がない時期にも支払いが残ることがあります。

家計では、給与から住民税が引かれているか、別に納める予定額があるかを分けます。二重に差し引いて計算したり、普通徴収分を生活費に使ってしまったりしないようにしてください。

出典:横浜市・個人住民税の特別徴収。実際の通知・切替方法は、お住まいの自治体と派遣会社に確認してください。

月収例から家計を考えるときに、見落としやすいこと

祝日や契約の空白期間がある月も見込む

時給制では、給与の対象になる時間が少ない月は、基本給与も少なくなります。時給1,500円・1日8時間の条件で勤務が3日少なければ、額面では36,000円の差です。手取りが同じ36,000円減ると決まるわけではありません。

有給休暇を取った日には条件に応じた賃金があります。付与の条件や申請は派遣の有給休暇の基本を確認し、会社の休業日や欠勤の日と混同しないようにしましょう。

賞与と交通費は、求人・契約ごとの支給方法を見る

派遣の賞与は、別途支給される場合や、賃金の決め方の中に賞与相当分が含まれる場合などがあります。「派遣は全員ボーナスなし」「正社員と同じ金額が必ず出る」と一律にはいえません。年収例に賞与が含まれるか、月々の時給とは別かを確認してください。

交通費も、実費相当の支給、上限、対象経路等を確認します。「交通費なしが一般的」と古い説明だけで判断しないでください。通勤費が支給されても、その金額をそのまま生活費の増加と考えることはできません。

支給方法と自己負担の確認は、派遣の交通費の記事にまとめています。

残業代を、毎月必ず入る生活費として当てにしすぎない

法定労働時間を超える時間外労働には、原則25%以上の割増が必要です。月60時間を超える場合や深夜・休日には別の割増があります。一方、所定の終業時刻を過ぎても、法定労働時間内であれば法律上の時間外割増の対象とならない場合があります。

残業の見込みだけで希望の手取りを組み立てると、残業がない月の家計に差が出ます。家庭との両立や体調も考え、まず通常勤務で確保できる給与を基準にしてください。

出典:厚生労働省・派遣労働者の同一労働同一賃金、労働条件・職場環境に関するルール

私の経験:Excelを学び、担当する仕事が変わった

私は、派遣会社のオンライン講座で苦手だったExcelを学び、仕事で使うようになりました。その後、希望していた別部署で働くことになり、時給が上がった経験があります。

ただし、学習すれば短期間で必ず収入が増えるわけではありません。新しい仕事の勤務時間や日数、契約の見通しも合わせて確認することが必要です。

評価や増額を相談するときは、派遣の時給アップの相談方法と文例も参考にしてください。

収入を見直す場合は、残業を増やすことだけを考えず、現在の仕事で身に付けたいスキルや、無理なく働ける時間・通勤条件を派遣会社に相談してみてください。

仕事を決める前・最初の給与明細で確認すること

  • 月収例の勤務日数・実働時間・残業の前提
  • 交通費・賞与・各手当を含むかどうか
  • 社会保険の加入状況と、保険料が何月分から引かれるか
  • 所得税の申告書の提出状況と、住民税の徴収方法
  • 給与の締日・支払日、初月と最終月の計算
  • 振込額とは別に必要な、通勤費や税金等の支払い

手取りは、時給だけで決まる金額ではありません。就業前は条件を確認し、働き始めたら明細と通知を使って家計の見込みを修正しましょう。勤務が少ない月でも続けられる収支を考えておくと、働き方を選びやすくなります。

制度確認日:2026年10月21日。計算例は明記した仮定によるもので、個別の税額・保険料・手取り額の保証ではありません。

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