「保育園に入れず、育休が終わる日までに復帰できそうにない」「働きたいのに、派遣会社から仕事がないと言われた」。予定どおりに復帰できなくなると、退職するしかないのか、育児休業給付金を返すのかと不安になりますよね。
復帰できないと分かったら、まず雇用主である派遣会社へ事情を伝え、休業の延長・復帰条件・契約の扱いを確認しましょう。退職する場合も、休業の終了日、退職日、給付金の支給対象の最終日は分けて確認する必要があります。
私は派遣で約10年働き、2回育休を取得しました。1人目では復帰し、2人目では保育園に入れず、最終的に退職しています。この記事では、その経験と現在の制度を分けて、復帰が難しくなったときの確認手順をまとめます。
これから産休・育休を取る方の取得条件や給付の基本は、派遣の産休・育休の条件と手続きをご覧ください。
復帰できない理由を整理し、派遣会社に相談する
連絡先は、派遣先だけでなく、雇用契約を結んでいる派遣会社の担当者・育休手続きの窓口です。営業担当者に仕事の相談をしていても、人事担当者に休業や給付の変更が伝わっているか確認しましょう。
| 現在の状況 | 先に確認すること |
|---|---|
| 保育園に入れない | 自治体の申込み状況、休業・給付の延長要件と締切 |
| 勤務時間や通勤が合わない | 働ける時間帯・地域、短時間勤務や別の派遣先の可能性 |
| 復帰したいが仕事の紹介がない | 紹介予定、雇用契約の継続、待機中の扱い |
| 本人や子どもの健康上の事情がある | 見通し、必要書類、利用できる休業等の制度 |
| 転居や家庭事情で退職を考えている | 転居先での就業の可能性と、退職する場合の日程・手続き |
「まだ退職を決めていない」「条件が合えば働き続けたい」という段階なら、その意思を明確に伝えます。事情を相談しただけで、自己都合退職の申出として話が進んでいないかも確認してください。
保育園に入れない場合は、延長の手続きを先に確認
保育園に入れなければ、自動的に育休や給付金が延長されるわけではありません。会社への育児休業の延長申出と、ハローワークが判断する育児休業給付金の延長は、別の手続きです。雇用契約の状況などを含め、それぞれの条件を確認します。
2025年4月から、保育所等に入れないことを理由とする給付の延長は、速やかな職場復帰のための利用申込みであることも確認されます。保留通知だけを用意すれば足りるとは限りません。
原則として必要になるのは、延長事由認定申告書、自治体に提出した利用申込書の写し、入所保留・不承諾の通知です。申込書は全ページの控えを残し、申込日・利用開始希望日・通知の時期なども確認しましょう。
自治体の申込締切が早い場合もあります。「育休終了の1か月前になってから考える」と間に合わないおそれがあるため、入園の申込みと会社への申出の期限を先に調べておくと安心です。
入園や復帰を希望せず、給付の延長だけを目的に手続きを進めることはできません。一方、申込書の「入れなければ育休の継続も可能」といった選択肢は、文言や実際の意思で扱いが変わります。自己判断で記載を変えず、事実に沿って確認してください。
派遣先がない・条件が合わない場合は、退職と切り分ける
復帰前と同じ派遣先で働けるかどうかと、派遣会社との雇用が続くかどうかは別の問題です。「元の派遣先の席がない」という説明だけで、退職するしかないと決めないでください。
派遣元の指針には、育休後に就業する際、本人と派遣先の希望等を踏まえた就業の確保を図ることが示されています。まず働ける条件を具体的に伝え、紹介の見通しを相談しましょう。
- 何時から何時まで働けるか、通勤できる範囲はどこか
- 希望条件で紹介できる仕事があるか、いつまでに回答がもらえるか
- 仕事が決まらない期間の雇用契約・賃金・社会保険の扱い
- 契約期間の満了日と更新の見込み、復帰日に向けた次の確認日
紹介がない期間の扱いは、契約や会社からの説明を確認する必要があります。待機中は必ず無給、または必ず給料が出ると一律にはいえません。
育休を理由とする退職の強要や不利益な扱いが疑われる場合は、やり取りを保存し、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)などに相談してください。
出典:厚生労働省・派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針、滋賀労働局・派遣労働者の育児休業に関する援助事例
育休中に退職したら、給付金は返還する?
当初は復帰予定で、その後に退職することになった場合
厚生労働省は、受給資格の確認時点で退職が予定されていた場合を除き、退職までに受けた育児休業給付を返金する必要はないと案内しています。復帰できなかったことだけで、適正に受けた分がすべて返還になるわけではありません。
最初から退職を予定していた場合
育児休業給付は職場復帰を前提とするため、当初から退職予定であれば支給対象になりません。虚偽の申告や誤った支給による返還は、途中で事情が変わった場合とは別です。
いつ何が変わったのか、会社にいつ伝えたかを整理し、退職が決まったら給付の担当者にも速やかに知らせましょう。判断に迷う場合は、派遣会社を通じて管轄のハローワークに確認します。
2025年4月以降は、支給対象期間中の退職日までが対象
2025年4月1日以後の退職では、受給資格確認後に退職することになった場合、給付の支給対象期間中なら退職日までが対象です。退職日を含む期間を丸ごと対象外にする以前の説明とは異なります。
ただし、退職すれば必ずその日まで受けられるという意味ではありません。育休の終了日、年齢や延長要件などの条件もあるため、最後の申請対象期間を具体的な日付で確認してください。入金日が退職後でも、それだけで退職後の日数分の給付を受けていることにはなりません。
退職する場合の伝え方と、日程の確認
復帰が難しくなったら、会社からの連絡を待ち続けず、事情が分かった段階で相談します。「必ず1か月前」「どの契約でも2週間前でよい」と決めつけず、就業規則、雇用期間の定め、会社の申出手順を確認してください。契約期間の途中での退職は、期間の定めがない契約と扱いが異なります。
最初の相談では、例えば次のように伝えると、確認事項を共有できます。
現在、保育園に入所できず、予定日の復帰が難しい状況です。まだ退職は決めておらず、まず育児休業の延長と、復帰できる条件について相談したいです。必要書類と申出期限、契約の扱いを教えていただけますか。
退職する意思が固まった後は、希望日を伝え、会社と具体的な手続きを確認します。
復帰に向けて検討しましたが、現在の家庭の状況では継続勤務が難しいため、退職を希望しています。希望日は○月○日です。退職日と育休終了日、給付金の最終申請、必要書類について確認させてください。
電話で相談した場合も、決まった日付や書類をメール等で確認しておくと行き違いを防げます。返還や費用の支払いを求められて説明に疑問があるときは、対象となる費用と根拠を書面で確認し、労働局などに相談しましょう。
退職後の失業給付は、今すぐ働けるかで相談内容が変わる
育休から復帰せず退職すれば、失業給付が自動的に出るわけではありません。雇用保険の基本手当には、働く意思と能力があり、求職活動をしていることなどの要件があります。
- 預け先などが整い、働ける場合:離職票を用意し、ハローワークで求職申込みと受給資格の確認をします。
- 育児等のためすぐに働けない場合:基本手当をすぐ受ける手続きではなく、受給期間の延長について相談します。
離職後の所定の期間内に30日以上続けて働けない場合などは、受給期間を延長できる制度があります。給付日数が増える制度ではなく、働けるようになってから手続きできるよう受給の期限を延ばすものです。必要書類や対象になる期間を、早めにハローワークで確認してください。
離職理由が実際の事情と違っていると感じた場合も、そのままにせず、会社とのやり取りなどを持参して相談しましょう。
私の経験:1人目は復帰、2人目は保育園に入れず退職
私の場合、1人目は1歳1か月で保育園に入ることができ、派遣の仕事に復帰しました。一方、2人目では空きがなく、復帰できずに退職することになりました。
夫も私も実家が遠く、近くの親に日常的に預けることが難しい環境でした。働きたい気持ちだけでは、預け先や勤務時間の問題は解決できませんでした。
育休中に夫の転勤で引っ越した経験もあります。当時の私は転居後も育休を続けられましたが、転居先での就業や契約、手続きまで誰でも同じになるとは限りません。
これらは私自身の過去の経験です。現在の給付の延長や退職時の扱いは上で紹介した制度を確認し、ご自身の状況を派遣会社に伝えてください。復帰できないことを一人で抱え込み、連絡しづらいまま期限を過ぎないようにすることが大切だと感じています。
最後に、日付と書類を確認しておく
- 復帰する意思と、現在できない理由を派遣会社に伝えたか
- 休業の延長と給付の延長を、それぞれ確認したか
- 契約満了日・更新の見込み・育休終了日・退職日を区別できているか
- 最後の給付申請の対象期間と、必要書類を確認したか
- 退職する場合、離職票や健康保険の資格喪失を確認する書類等の発行予定を聞いたか
- 退職後に働けるかどうかに応じ、ハローワークへの相談を予定したか
退職後の健康保険・年金は、家族の扶養に入る、国民健康保険等に加入するなどの選択肢と条件を確認します。現在の加入条件は派遣の社会保険の条件、退職前に有給休暇の残日数を確認したい場合は派遣の有給休暇Q&Aも参考にしてください。育休の日をそのまま有給休暇に置き換えられるという意味ではありません。
復帰できない状況になったときは、続けるために必要な条件と、退職する場合の手続きを順に確認しましょう。結論を急ぐ前に、相談できることと期限を整理しておくと、次に取る行動が見えてきます。
制度確認日:2026年10月20日。個別の雇用契約・給付の判断は、派遣会社と管轄のハローワーク等で確認してください。



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