主婦が正社員から派遣へ転職する前に|私が比べた時間・お金・働き方

働き方の悩み

「正社員の仕事と家庭の両立がつらい。派遣に変えたら、もう少し余裕を持てるのかな」と考えていませんか。

私は結婚した直後に、正社員から派遣へ働き方を変えました。その後、派遣で10年以上働き、2回の出産・育休も経験しました。私自身は、家庭で過ごす時間を持てるようになり、この選択に満足しています。

ただし、私の体験から「主婦には派遣が一番」「正社員をやめれば両立できる」とは言えません。今の仕事で変えられることを確認し、転職先の時間・収入・契約を具体的に比べてから決めることが大切です。

この記事では、私が判断の軸にした「時間」「お金」「働き方」と、これから転職する方に確認してほしいことをまとめます。体験は過去の私のケースで、現在の求人相場や、読者の収入を保証するものではありません。

私が正社員から派遣に変えて感じたこと

帰宅後に、自分で使える時間ができた

正社員のころは、帰宅が夜9時を過ぎることがありました。異動後に、電車で片道2時間近くかけて通勤した時期もあります。

派遣で仕事を探すようになってからは、通勤は片道30分までを目安にしました。自転車で通えた職場もありましたが、これは私が実際に見つけられた仕事の一例です。希望どおりの距離で、いつでも求人があるとは限りません。

私が働いた職場では定時に帰ることができ、料理をしたり、翌日のお弁当を用意したりする余裕が生まれました。仕事と家庭の切り替えもしやすくなったと感じています。

年収は減ったけれど、家計は収入だけでは決まらなかった

私の場合、正社員から派遣へ変わって年収は減りました。一方、外食が多かった生活から自炊を増やせるようになり、貯金は以前よりできるようになりました。

これは当時のわが家の変化です。転職で収入が減っても食費で必ず補える、貯金が増えるという話ではありません。もともと自炊をしている家庭や、転職後に保育・通勤などの支出が増える家庭では、違う結果になり得ます。

今振り返ると、私にとって大きかったのは、年収だけでなく、使える時間と暮らし方を一緒に考えられたことでした。

時間の比較は「定時」から帰宅までを一続きで考える

派遣でも残業のある求人はあります。「派遣だから定時で帰れる」と考えず、仕事ごとの条件を確認しましょう。今の正社員の仕事と、候補の派遣求人を、次の項目で比べてみてください。

  • 始業・終業時刻と、通常の退社時刻
  • 繁忙期の残業、終業直前に来る依頼の扱い
  • 自宅から職場までの所要時間と、保育園などへの送迎
  • 休憩時間や出社日数、在宅勤務の条件
  • 勤務時間を変更したい場合の相談先と調整の可否

「残業は月に数時間」と聞いた場合も、毎日少しずつなのか、特定の日に集中するのかで、お迎えへの影響は変わります。絶対に退社したい時刻があるなら、派遣会社へ先に伝えます。

私にとって近い職場は助けになりましたが、通勤時間だけを優先して、担当業務や収入の条件まで無理に合わせる必要はありません。調整できる条件を一つずつ考える方が、比較しやすいと思います。

退職前に、今の職場で使える制度も確認する

子育てと仕事の両立が理由なら、人事や上司に、勤務時間・配置・在宅勤務などの相談ができるか確認してみてください。今の雇用を続けながら、困りごとを減らせる可能性もあります。

2025年10月からは、3歳から小学校就学前の子を養育する労働者を対象に、事業主が始業時刻の変更や短時間勤務など5種類の措置から2つ以上を用意し、労働者がその中の1つを選ぶ仕組みが始まっています。日々雇用される方は対象外で、勤続1年未満・週の所定労働日数2日以下の方を除外する労使協定がある場合もあります。

自分の希望する方法をすべて選べる制度ではないため、対象になるか、職場で何が用意されているかを確認しましょう。転職先でも、制度名だけで利用できると判断しないことが大切です。

出典:厚生労働省・柔軟な働き方を実現するための措置(2026年10月21日確認)

お金の比較は、実際の勤務日数と家計の支出まで見る

派遣に変わると年収が必ず100万円減る、という共通の基準はありません。今の給与・賞与と、候補求人の時給・勤務時間・働く日数などで、差は変わります。

例えば、時給1,500円・実働7時間という条件を仮に置くと、次の計算になります。市場相場や実際の募集求人ではなく、計算方法を示す例です。

  • 月20日働く場合:1,500円×7時間×20日=月21万円
  • 月18日働く場合:1,500円×7時間×18日=月18万9,000円

どちらも税金・社会保険料を引く前の基本賃金の例で、交通費・残業代・賞与などを含めていません。時給が同じでも、勤務日数が違えば金額は変わります。祝日や契約のない期間、無給の欠勤なども含め、12か月ずっと同じ月収と決めつけないようにしましょう。

賞与や退職金は、派遣という名称だけで有無を決めない

賞与・退職手当・昇給の扱いも、派遣元からの説明で確認します。「派遣だからすべてない」とも、「正社員と必ず同じ金額」とも言い切れません。求人の時給だけではわからない支給条件を聞いておきましょう。

厚生労働省は、派遣労働者の待遇決定に2つの方式を設け、待遇の明示・説明について案内しています。不明な項目は、何がどのような条件で支払われるか、派遣元に説明を求めて確認してください。

出典:厚生労働省・派遣労働者の同一労働同一賃金のポイント(PDF)

「最低限必要な収入」と「減らせる支出」を分ける

家計を比べるときは、今の給与明細や支出を見ながら、住居費・保育や教育にかかる費用・食費・将来の貯蓄などを書き出します。自炊や通勤で減らせそうな支出は、実際に無理なく続けられる範囲で見積もります。

世帯全体で毎月いくら不足するか、収入が少ない月があっても対応できるかを確認しておくと、「時給が高そうだから」という印象だけで決めずに済みます。社会保険の加入は、派遣の社会保険の加入条件も確認し、手取りと額面を混同しないようにしましょう。

仕事を続けられるかは、派遣元との契約を確認する

私は長く派遣で働けましたが、それを理由に「雇用の不安定さは気にしなくてよい」とは言えません。有期雇用の場合は、契約期間や更新の有無・判断基準・更新上限を確認する必要があります。すべての派遣が3か月契約というわけでもありません。

派遣では、雇用主は派遣元で、働く場所や仕事の指示を出すのが派遣先です。派遣先との派遣契約と、自分が派遣元と結ぶ雇用契約は別です。派遣先での仕事が終わったから直ちに解雇される、と一つに考えないようにしましょう。

出典:厚生労働省・派遣で働くときに特に知っておきたいこと(PDF)

  • 今回の雇用契約に期間の定めはあるか
  • 更新は何をもとに判断し、上限はどう定められているか
  • 派遣先での仕事が終わったとき、次の仕事の相談や雇用はどうなるか
  • 次の仕事まで間が空く場合、給与や社会保険をどう扱うか

また、派遣期間の制限と雇用契約の期間は別の確認事項です。例えば個人単位の3年の制限は、同じ派遣先の同じ組織単位への派遣についてのもので、無期雇用派遣などには例外があります。「派遣は3年で必ず退職」とも「無期雇用なら派遣先の正社員」とも理解しないでください。

説明を聞いてもわからない点は、仕事を引き受ける前に文書の該当箇所を確認します。自分の契約の扱いは、一般的な体験談から判断しないことが大切です。

休みやすさと、これから続けたい仕事も比べる

私が働いた職場では、子育て中の同僚や周囲の協力に助けられました。ただし、大手企業であることや派遣という働き方だけで、急な休みへの対応は決まりません。同じ仕事がわかる人がいるか、休むときの連絡と引き継ぎはどうするかを確認します。

この点は、子どもの急病への備えと、私が働き続けるためにしたことで詳しくまとめています。産休・育休の取得を考えている場合も、派遣の産休・育休の条件を確認し、登録しただけで取得できるとは考えないようにしましょう。

家庭の予定だけでなく、これまでの経験を活かせる仕事か、身につけたい操作や知識があるかも大事な比較点です。派遣だから責任が軽い、正社員でなければ成長できないという分け方ではなく、実際の業務と教わる体制を見て判断してほしいと思います。

退職を決める前に、候補の仕事を具体的に比べよう

正社員から派遣への転職が、自分の希望に近づく選択になるかは、今の困りごとと候補の条件によって変わります。次の順番で整理してみてください。

  1. 今の職場で変えたいことを、勤務時間・通勤・業務・家計に分けて書く。
  2. 現在の職場で、制度の利用や働き方の相談ができるか確認する。
  3. 通える範囲の実際の求人を見て、必要な経験と希望条件が合うか相談する。
  4. 月ごとの収入と支出、契約更新や仕事の空白がある場合を比べる。
  5. 具体的な条件・開始の見込みと、現在の勤務先の退職手続きを確認して決める。

派遣登録や求人への応募だけでは、仕事が決まったことにはなりません。退職を先に決めると、次の仕事が始まるまでの収入が空く可能性もあります。開始日や条件が固まっているか、何が未確定かを確認しましょう。

私は、収入だけでなく、家庭で過ごす時間や暮らし方を大切にして派遣を選びました。ご自身も「正社員だから続けなければ」「派遣なら楽になるはず」という思いだけで決めず、優先したい条件を具体的な仕事と照らし合わせてみてください。

求人を相談する会社の比較は、実際に利用した派遣会社3社と選び方にまとめています。

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